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刑期の起算日

岐阜の多治見などは暑い地域として有名ですが,

近年では,あちこちで記録的な気温が出ており,温暖化が進んでいるように思われます。

本日は,タイトルのとおり刑期の起算日について,お話します。

例えば「懲役3年」の実刑判決であった場合に,その3年はいつから起算するのでしょうか。

判決日からか,判決の確定日からかなど色々考えられますね。

この点,刑法23条は,「刑期の計算」について次のように定めています。

1項 刑期は,裁判が確定した日から起算する。

2項 拘禁されていない日数は,裁判が確定した後であっても,刑期に参入しない。

1項にある裁判が確定した日とは,上訴期間が経過した場合や,上訴権を放棄した場合などを指します。

つまり,これ以上争うことができなくなったことが確定した時点となります。

裁判確定との関係になりますが,上訴の意図がない場合には,ただちに刑期の起算を開始させるために,上訴権を放棄して裁判を確定させることもあります。

2項にある「拘禁されていない場合」とは,確定時に保釈中である場合などです。

このような場合には,刑事施設に入ったときから刑期を起算します。

以上を踏まえると,裁判確定時に拘禁されているか否かを考え,拘禁されていない場合には刑事施設に入ったときから起算し,それ以外の場合には,裁判確定時から起算すると考えられます。

個室料

岐阜を含む東海地区でコロナの感染者数が増えてきました。

第2波のようですが,増加傾向が続くと再び緊急事態宣言がでるかもしれません。

少しでも早く収束するよう皆で気を付けなければなりませんね。

今回は,入院における個室代についてお話します。

入院する場合,一般的に,大部屋と個室があり,個室の方が金額が高く設定されています。

交通事故で入院する場合も個室を利用することがありますが,その個室代は賠償に含まれるのでしょうか。

この点,個室利用についての必要性・相当性が認められるかという点に帰着するといえます。

まず,必要性については,例えば,症状が重篤であり,多数の医療機器が必要でその広さを確保する必要があった場合,病状に照らし感染しやすい状況であり,大部屋利用を避ける必要があった場合等では,個室利用の必要性を肯定する方向の事情になります。

これらは治療上の必要性の観点からみたものですが,その他にも,大部屋が満床で空きがなかった場合や,事故後1か月後に結婚式があり,その打合せ等の準備の必要性等から個室代を損害に含めた裁判例もあります。

次に,相当性については,金額の相当性や個室利用期間の相当性等が問題となりえます。

例えば,症状が改善して通常の大部屋でも治療が可能になった場合や,大部屋が満床のために個室を利用していたが,大部屋に空きができた場合などでは,大部屋の利用が可能となった以降の個室代は相当性を欠き,否定されることもあります。

上記のとおり,個室利用の必要性・相当性においては,症状,治療方法,病院の施設状況等によるところが大きく,主治医の見解・指示内容が重要な判断要素になるかと思います。

ところで,千葉に弁護士法人心の事務所が開設しました。

千葉は私が司法修習した地であるので,嬉しいですね。

ホームページもご覧いただればと思います。

詳細はこちらです。

 

 

自賠責保険への請求

岐阜市役所の新庁舎の建設工事が大分進んでいますね。

周囲には新庁舎に並ぶ高さの建物は見当たらないため,完成したら新庁舎からの展望は良さそうです。

今回は,自賠責保険への請求方法についてお話します。

自賠責保険への請求には,被害者請求(自動車損害賠償法16条)と,加害者請求(同法15条)があります。

まず,法16条1項には,次のとおり定められています。

「第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは,被害者は,政令で定めるところにより,保険会社に対し,保険金額の限度において,損害賠償額の支払いをなすべきことを請求することができる。」

この条項のとおり,請求の主体は「被害者」であり,自賠責保険に対して損害賠償の支払いを請求することができます。

自賠責保険の契約者は加害者であり,被害者と自賠責保険との間には契約関係はありませんが,この法16条があることにより,被害者は自賠責保険に対する直接請求権を有することになります。

次に,法15条には次のとおり定められています。

「被保険者は,被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ,保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。」

ここでいう被保険者は加害者を指すので,請求の主体は「加害者」となります。

自賠責保険は,責任保険であり,被保険者が賠償責任を負った場合に,その損害を填補する保険です。

したがって,15条の文言のとおり,被保険者である加害者が被害者に対して現実に賠償金を支払った場合に,その支払額を限度として自賠責保険に保険金の請求ができるようになります。

このように,被害者請求と加害者請求では請求主体や適用場面が異なります。

実際の業務では,治療費や後遺障害の関係で被害者請求を行うことが相当数あります。

まず,治療費の関係ですが,多くの事案では加害者の任意保険会社が治療費対応を行うため,被害者請求が問題となる場面は多くないかもしれません。

しかし,加害者が任意保険に未加入である場合や,任意保険会社に加入していても治療費対応をしない場合(例えば,過失が争点となっている場合等)では,治療費を賄うために,被害者請求を行うことがあります。

これに対して,後遺障害申請の関係では,被害者請求はよく問題になります。

被害者側で申請するか,それとも任意保険会社に申請手続をお任せするか,という選択がその都度生じるからです。

被害者請求の場合には被害者側で申請資料の収集をしなければなりません。

その分手前はかかりますが,しっかり申請の準備ができるというメリットがあります。

適正な等級認定獲得のためには,必要な検査結果を揃えたり,書類に不備のないようにするなど,事前の準備が重要であるといえます。

したがって,多少の手間がかかったとしても,通常は,被害者請求による方が望ましいといえます。

 

ところで,四日市に弁護士法人心四日市法律事務所が開設しました。

どうぞ宜しくお願いいたします。詳細はこちらです。

近親者慰謝料

ここ最近,岐阜でも外出される方が増えてきました。

第2波が起きないよう,マスク,手洗いなどの対応はしばらく続ける必要がありますね。

本日は,近親者慰謝料についてお話しします。

民法711条には「他人の生命を侵害した者は,被害者の父母,配偶者及び子に対しては,その財産権が侵害されなかった場合においても,その損害の賠償をしなければならない」という定めがあります。

これにより,被害者が亡くなられた場合,本人に加えて,近親者にも,慰謝料請求権が発生します。

また,被害者が亡くなられてなくても,死亡した場合と比肩しうべき精神的苦痛を受けたと認められる場合,民法709条,710条により,近親者には慰謝料請求権が発生すると解釈されています(最判昭和33年8月5日)。

したがって,例えば,被害者が重度の後遺障害を負った場合でも,上記のような精神的苦痛を負ったとして,近親者慰謝料が認められることがあります。

では,どの程度の後遺障害であれば,近親者慰謝料は認められるのでしょうか。

後遺障害等級が1級から3級といった上位等級の場合には,近親者慰謝料が認められやすい傾向があると言われています。

そして,その金額は,近親者と被害者との関係,今後の介護状況,被害者本人に認める慰謝料の金額等を考慮して判断されます(佐久間邦夫=八木一洋編「交通損害関係訴訟」【補訂版】206頁)。

また,後遺障害等級が4級以下の場合であっても,近親者慰謝料が認められることはあります。

例えば,千葉地判平成22年5月28日は,交通事故で急性硬膜下血種の傷害を負い,後遺障害等級5級2号の高次脳機能障害の後遺障害が残った事案ですが,ご両親による介護内容・状況等を詳細に認定し,「本件で受けた精神的苦痛は察するに余りあり」として各50万円の近親者慰謝料を認めました。

この裁判例のように,1級から3級の上位等級でなくでも,近親者と被害者との関係,近親者が行う介護内容等が考慮されて,近親者慰謝料が認められることもあるため,事案に応じて,要介護認定や陳述書などを提出して介護状況を示していくことが求められます。

被用者から使用者に対する求償

コロナの影響により,テレワーク等を導入する企業が増えており,これまでとは働き方が大きく変わってきてます。

弁護士業界でも,今回を機に,テレワークやテレビを用いた打ち合わせ・会議などの方法がより広がるのではないかと思います。

本日は,令和2年2月28日最高裁判決について,ご紹介いたします。

これは,トラック運転手が,業務中に事故を起こし,被害者遺族に損害賠償した後,自身の勤務先に対して求償請求した事案です。

民法では,使用者が負う責任について,民法715条1項で使用者責任を定めています。

まず,原審(平成30年4月27日大阪高判)は,民法715条1項の規定について,損害を被った第三者が被用者から損害賠償金を回収できない事態に備え,使用者にも損害賠償義務を負わせることにしたものにすぎず,被用者の使用者に対する求償を認める根拠にはならないなどとして,トラック運転手による勤務先に対する求償請求を否定しました。

しかし,最高裁は,民法715条1項の使用者責任の趣旨に照らし,使用者は,被用者との関係でも損害の全部又は一部を負担すべきであるとしました。

使用者責任の趣旨とは,おおまかにいうと,使用者は,被用者を利用して利益を挙げているのであるから,利用に伴う損失についても責任を負うべきであり,また,事業範囲の拡張に伴い第三者への危険性を増大させているのであるから,その危険に対する責任を負うべきといったものです。

このような趣旨からすると,事業の執行で生じた第三者に対する損害については,使用者も相当な範囲で負うべきとしました。

次に,責任を負う範囲が問題となります。

この点,最高裁は,事業の性格,規模,施設の状況,被用者の業務の内容,労働条件,勤務態度,加害行為の態様,加害行為の予防又は損失の分散についての使用者への配慮の程度などを考慮して,相当と認められる限度において求償が認められる旨述べました。

補足意見では,本件で重視すべき考慮要素などが触れられており,とても参考になります。

今回の事案のように,社用トラックに任意保険を付けていないことは少なくありません。

会社の規模や経営状態等にもよりますが,事業継続のために被用者を確保するという点からすれば,保険加入等を考える意味はあるかと思います。

慰謝料とその増額事由

岐阜駅前の里山広場には,桜が咲き始めました。とても綺麗です。

岐阜駅に来られた際には,是非ご覧になってください。

本日は,慰謝料の増額事由についてお話しします。

慰謝料とは,精神的損害の賠償であり,被害者の損害填補としての性格があります。

同じような精神的損害であるにもかかわらず,事案ごとに慰謝料額がバラバラであると公平性を害するため,交通事故の事案では,日弁連交通事故相談センターが発行する赤本・青本掲載の算定基準を目安とされることが多いです(なお,この算定基準以外にも自賠責保険基準や任意保険基準といった基準もあります。)

慰謝料のうち,傷害慰謝料では,基本的に,赤本や青本の算定基準に従い,入通院期間に応じて算出しますが,あくまで目安であるため,傷害の内容・程度,入通院期間の長短,日常生活・社会生活への支障内容など様々な事情を斟酌して具体的な慰謝料額を決することになります。

慰謝料を増額させる事由としては,事故態様の悪質性や,加害者による事故後の不誠実な行動などが挙げられます。

事故態様では,ひき逃げ,無免許運転,酒酔い運転,信号無視など故意または重過失と認められるような場合には,増額事由として評価されやすいといえます。

また,事故後の不誠実な行動については,証拠隠滅行為という明らかに悪質といえるものもあれば,謝罪がないことや,訴訟で賠償責任を否定してきた点を増額事由として評価した裁判例もあります。ただし,後者の点をただちに増額事由としてよいかは,事案ごとに慎重な判断が求められるのではないかと思います。

破産申立てと資格制限

コロナウイルスの影響が拡大していますね。

先日のニュースによると,岐阜地方裁判所では,コロナウイルス感染拡大のおそれから,裁判員裁判事件の選任手続を延期したようです。

さて,本日は,破産申立てと資格制限についてお話しします。

法令によって,破産手続開始決定を受けた破産者の資格が制限されることがあります。

例えば,私たち弁護士の資格だったり,他にも,警備員,保険外交募集人,損害保険代理店,貸金業者などの資格がこれに該当します。

資格制限されると,その資格に登録しようとしても登録拒否されたり,すでに登録している場合にはその資格を失うこともあります。

もっとも,永久的に制限されるわけではなく,復権により制限状態は解消されます。

通常は,免責許可決定の確定により復権することが多いかと思います。

仮に,警備会社にお勤めの場合,資格制限の対象となるため,資格制限中は警備業務に携わらない業務に配置換えしてもらえないか勤務先と相談するなど,事前の調整が必要です。

また,破産手続開始決定は委任の終了事由とされているため,例えば,株式会社の取締役の方が破産手続開始決定を受けると,取締役の地位を失うことになります。この場合,再任するなどの対応は可能です。

 

シートベルトの着用義務

自動車の運転者や助手席だけでなく,全ての座席においてシートベルトの着用義務があります。

昔は運転者と助手席のみに課されていましたが,2008年6月1日より,対象が全ての座席に拡大しました。

道路交通法71条の3第1項で自動車運転者の,同2項で運者席以外の座席についてのシートベルト着用義務が定められています。

後部座席でシートベルトを着用しないと,例えば,車外に放り出されて大けがしたり,車内の別の方にぶつかって被害を拡大させるなど危険性が増大します。

したがって,運転者・助手席以外の席でもシートベルトをしっかり装着すべきなのですが,警察庁(平成30年度)によると,後部座席同乗者の着用率は一般道で38%,高速道路等で74.2%であり,徹底されているとは言い難い現状があります。

交通事故案件を数多く取り扱っていると,シートベルト不装着の事案にも遭遇します。

やはり,お亡くなりになったり,大けがを負うなど重大な結果が発生していることが比較的多い印象です。

実際に,シートベルト不装着のために車外に放出され,頭を打ち付けたケースでは,シートベルト不装着ゆえに損害が拡大したとして,その不装着であった方の損害賠償において過失相殺されたものもあります。

私も,出廷や接見など岐阜での移動でタクシーを利用することがありますが,シートベルトを必ず装着するよう改めて気を付けたいと思います。

仕事納め

昨日で仕事納めとなりました。

この1年間いろいろありました。

まずは,昨年12月に,弁護士法人心のTVCMが始まり,たくさんの方から「CM見ましたよ」といった声をいただきました。

以前よりも弁護士法人心を知っていただくことができたように思います。

CM以外にも,元依頼者の方やそのご紹介でご相談に来られた方が昨年よりも増えており,これは弁護士としてとても嬉しく,ありがたいことでした。

来年もたくさんの人から頼りにされるよう,努めていきたいと思います。

次に,健康面になりますが,今年は,風邪を引く頻度が大分少なかったように思います。

今年は,事務所到着時,外出先から戻ったときなど,外を出歩いた後には,必ずうがいをしています。

1日に4,5回うがいするときもあります。

医学的には,風邪予防の医学的有効性は立証されていないそうですが,のど粘膜が乾燥すると防御機能が低下し,ウイルスや細菌に感染しやすくなるようなので,うがいすれば,のどが潤い,風邪を引きにくくなると勝手ながら思っています。

健康はあらゆる物事の基礎ですので,来年も気を付けていきたいですね。

最後に,私事ではありますが,今年,第1子を授かりました。

日々成長しており,来年はどのように成長していくのか楽しみです。

色々ありましたが,今年は,多くの方に大変お世話になりました。

来年は,1月6日から岐阜事務所を開きますので,引き続きどうぞ宜しくお願いいたします。

改正道路交通法の施行

令和元年12月1日より,改正道路交通法が施行されます。

改正のポイントは,いわゆるながら運転に対する罰則等の強化です。

「保持」すなわち,携帯電話等を使用し,手に保持し画面を表示して注視した場合については,

例えば,5万円以下の罰金であったのが,6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金となり,

また,基礎点数が1点であったのが3点となります。

「交通の危険」すなわち,携帯電話等の使用により,交通の危険を生じさせる場合には,

例えば,3月以下の懲役又は5万円以下の罰金であったのが,1年以下の懲役又は30万円以下の罰金となり,

また,基礎点数が2点であったのが,6点となります。

このように,保持における罰則に懲役刑が加わったり,保持・交通の危険における基礎点数が3倍となるなど,大幅な強化といえます。

警察庁のHPによると,改正の背景には次のようなものが考えられます。

①携帯電話使用等に係る交通事故件数が過去5年間で約1.4倍に増加

②自動車は短時間のうちに相当距離進むため危険

(例えば,画像を2秒間注視した場合,その間に時速40㎞なら約22.2m進む)

③警察の取り締まりのうち,運転中の携帯電話使用等が14%を占めるほど多い(平成30年度中の割合)。

岐阜では,自動車は移動手段として欠かせないものといえますが,運転する際には,あらためて十分注意する必要がありますね。

 

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