付郵便
最近はとても寒いですね。
岐阜は盆地なので,夏は蒸し暑く,冬はとことん冷えます。
新年を迎えたばかりと思っていましたが,もう2月も終わりです。
今月誕生日を迎え,35歳になりました。
時が過ぎるのをとても早く感じます。
これも,仕事が充実しているからだと思いたいものです。
とりあえず,今は,カイロを貼りながら,業務に邁進したいと思います。
ところで,「付郵便」という制度をご存じでしょうか。
これは,裁判所書記官が,被告宛の送達書類を書留郵便によって発送したとき,すなわち,郵便局がその書留郵便を受理した時に送達が完了したものとみなすものです(民事訴訟法107条)
分かりにくいですね(^^ゞ
まず,裁判を起こす場合,裁判を起こす側は訴状を裁判所に提出します。
裁判所は訴状の副本を特別送達により被告に送付します。
送付先は,原則として住居等とされます(法103条1項)。住居等が分からないとき等は,就業場所に送付することもできるとされています(同条2項)。
住居等宛に送付されたものの不在であった場合,ポストに不在票が入れられ,郵便局に一定期間保管されます。
その間に郵便局に受け取りにいかない場合,その書類は裁判所に戻されます。
就業場所が分かればそちらに送付されます。
しかし,就業場所が分からないと,相手方が訴状を受け取ってくれないために裁判手続ができなくなり,逃げた者勝ちになってしまいます。
そこで,手当として,法律は,裁判所(書記官)が,その送達先に相手方の居住の実態があることを前提に,書留郵便の発送をもって送達が完了したものとみなす「付郵便」の制度を設けています。
これにより,訴状等が相手方に送達されたことになり,裁判手続を進めることができます。
ただし,送達先に相手方の居住の実態があることが前提となるので,報告書等を提出して,裁判所に居住の実態があることを理解してもらう必要があります。
近隣住民や直接相手方から居住の実態を示す事情を聴取できるといいですよね。
しかし,そもそも相手方に連絡とれないことは少なくなく,また,最近は近隣住民と付き合いのない方も珍しくありません。
他にも様々な観点から居住の実態があることを示す材料を集めますが,事案によってはとても苦労することもあります。
送達先に居住の実態があるのに受け取らない場合に問題となるのが付郵便ですが,そもそも相手方の所在が不明という場合には,公示送達の問題となり,別のお話となります。