研修~取調べの可視化
先日,取調べの可視化について岐阜県弁護士会で研修を受講してきました。
取調べの可視化とは,取調べに弁護人が立ち会ったり,取調べを録画・録音することを指します。
今回の研修は,後者のうちの取調べの録音が主な内容であったかなと思います。
「取調べの可視化」と聞くと,録画等により取調べの適正が担保されるので正しいことと思われるかもしれませんが,必ずしもそうとは限りません。
「取調べの可視化」によるメリットとデメリットを踏まえ,個々のケースに応じて,行うべきか否かを検討する必要があると思います。
例えば,メリットのひとつに,取調べのおける言葉の正確性が担保されることがありますが,これは,取調べを受けるものが正確に話す能力,情報をもっていることが前提となります。
したがって,この前提を欠く場合(例えば,人の言葉に流されやすい人など)には利用を十分に検討する必要があるといえます。
他にも,メリット・デメリットは複数ありますので,気をつける必要があります。
「取調べの可視化」が法制化した場合には大きな影響が生じますので,今後の動向に注意したいと思います。