岐阜県の弁護士 古田裕佳トップ >> 交通事故 >> 個室料

個室料

岐阜を含む東海地区でコロナの感染者数が増えてきました。

第2波のようですが,増加傾向が続くと再び緊急事態宣言がでるかもしれません。

少しでも早く収束するよう皆で気を付けなければなりませんね。

今回は,入院における個室代についてお話します。

入院する場合,一般的に,大部屋と個室があり,個室の方が金額が高く設定されています。

交通事故で入院する場合も個室を利用することがありますが,その個室代は賠償に含まれるのでしょうか。

この点,個室利用についての必要性・相当性が認められるかという点に帰着するといえます。

まず,必要性については,例えば,症状が重篤であり,多数の医療機器が必要でその広さを確保する必要があった場合,病状に照らし感染しやすい状況であり,大部屋利用を避ける必要があった場合等では,個室利用の必要性を肯定する方向の事情になります。

これらは治療上の必要性の観点からみたものですが,その他にも,大部屋が満床で空きがなかった場合や,事故後1か月後に結婚式があり,その打合せ等の準備の必要性等から個室代を損害に含めた裁判例もあります。

次に,相当性については,金額の相当性や個室利用期間の相当性等が問題となりえます。

例えば,症状が改善して通常の大部屋でも治療が可能になった場合や,大部屋が満床のために個室を利用していたが,大部屋に空きができた場合などでは,大部屋の利用が可能となった以降の個室代は相当性を欠き,否定されることもあります。

上記のとおり,個室利用の必要性・相当性においては,症状,治療方法,病院の施設状況等によるところが大きく,主治医の見解・指示内容が重要な判断要素になるかと思います。

ところで,千葉に弁護士法人心の事務所が開設しました。

千葉は私が司法修習した地であるので,嬉しいですね。

ホームページもご覧いただればと思います。

詳細はこちらです。