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慰謝料とその増額事由

岐阜駅前の里山広場には,桜が咲き始めました。とても綺麗です。

岐阜駅に来られた際には,是非ご覧になってください。

本日は,慰謝料の増額事由についてお話しします。

慰謝料とは,精神的損害の賠償であり,被害者の損害填補としての性格があります。

同じような精神的損害であるにもかかわらず,事案ごとに慰謝料額がバラバラであると公平性を害するため,交通事故の事案では,日弁連交通事故相談センターが発行する赤本・青本掲載の算定基準を目安とされることが多いです(なお,この算定基準以外にも自賠責保険基準や任意保険基準といった基準もあります。)

慰謝料のうち,傷害慰謝料では,基本的に,赤本や青本の算定基準に従い,入通院期間に応じて算出しますが,あくまで目安であるため,傷害の内容・程度,入通院期間の長短,日常生活・社会生活への支障内容など様々な事情を斟酌して具体的な慰謝料額を決することになります。

慰謝料を増額させる事由としては,事故態様の悪質性や,加害者による事故後の不誠実な行動などが挙げられます。

事故態様では,ひき逃げ,無免許運転,酒酔い運転,信号無視など故意または重過失と認められるような場合には,増額事由として評価されやすいといえます。

また,事故後の不誠実な行動については,証拠隠滅行為という明らかに悪質といえるものもあれば,謝罪がないことや,訴訟で賠償責任を否定してきた点を増額事由として評価した裁判例もあります。ただし,後者の点をただちに増額事由としてよいかは,事案ごとに慎重な判断が求められるのではないかと思います。