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近親者慰謝料

ここ最近,岐阜でも外出される方が増えてきました。

第2波が起きないよう,マスク,手洗いなどの対応はしばらく続ける必要がありますね。

本日は,近親者慰謝料についてお話しします。

民法711条には「他人の生命を侵害した者は,被害者の父母,配偶者及び子に対しては,その財産権が侵害されなかった場合においても,その損害の賠償をしなければならない」という定めがあります。

これにより,被害者が亡くなられた場合,本人に加えて,近親者にも,慰謝料請求権が発生します。

また,被害者が亡くなられてなくても,死亡した場合と比肩しうべき精神的苦痛を受けたと認められる場合,民法709条,710条により,近親者には慰謝料請求権が発生すると解釈されています(最判昭和33年8月5日)。

したがって,例えば,被害者が重度の後遺障害を負った場合でも,上記のような精神的苦痛を負ったとして,近親者慰謝料が認められることがあります。

では,どの程度の後遺障害であれば,近親者慰謝料は認められるのでしょうか。

後遺障害等級が1級から3級といった上位等級の場合には,近親者慰謝料が認められやすい傾向があると言われています。

そして,その金額は,近親者と被害者との関係,今後の介護状況,被害者本人に認める慰謝料の金額等を考慮して判断されます(佐久間邦夫=八木一洋編「交通損害関係訴訟」【補訂版】206頁)。

また,後遺障害等級が4級以下の場合であっても,近親者慰謝料が認められることはあります。

例えば,千葉地判平成22年5月28日は,交通事故で急性硬膜下血種の傷害を負い,後遺障害等級5級2号の高次脳機能障害の後遺障害が残った事案ですが,ご両親による介護内容・状況等を詳細に認定し,「本件で受けた精神的苦痛は察するに余りあり」として各50万円の近親者慰謝料を認めました。

この裁判例のように,1級から3級の上位等級でなくでも,近親者と被害者との関係,近親者が行う介護内容等が考慮されて,近親者慰謝料が認められることもあるため,事案に応じて,要介護認定や陳述書などを提出して介護状況を示していくことが求められます。