シートベルトの着用義務
自動車の運転者や助手席だけでなく,全ての座席においてシートベルトの着用義務があります。
昔は運転者と助手席のみに課されていましたが,2008年6月1日より,対象が全ての座席に拡大しました。
道路交通法71条の3第1項で自動車運転者の,同2項で運者席以外の座席についてのシートベルト着用義務が定められています。
後部座席でシートベルトを着用しないと,例えば,車外に放り出されて大けがしたり,車内の別の方にぶつかって被害を拡大させるなど危険性が増大します。
したがって,運転者・助手席以外の席でもシートベルトをしっかり装着すべきなのですが,警察庁(平成30年度)によると,後部座席同乗者の着用率は一般道で38%,高速道路等で74.2%であり,徹底されているとは言い難い現状があります。
交通事故案件を数多く取り扱っていると,シートベルト不装着の事案にも遭遇します。
やはり,お亡くなりになったり,大けがを負うなど重大な結果が発生していることが比較的多い印象です。
実際に,シートベルト不装着のために車外に放出され,頭を打ち付けたケースでは,シートベルト不装着ゆえに損害が拡大したとして,その不装着であった方の損害賠償において過失相殺されたものもあります。
私も,出廷や接見など岐阜での移動でタクシーを利用することがありますが,シートベルトを必ず装着するよう改めて気を付けたいと思います。
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